第11章

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「アレク、それを言うのはまだ早いらしい。 」 そう言うフォイマの目先には所々鱗の剥がれた状態の風妃龍がいた。 「うわ~、あの威力でも表面の鱗までしか届かないのかぁ~。 」 「思った以上の防御力だな。 だが、俺がとどめをさす。 二人は風妃龍の意識を引きつけてくれないか? 」 その提案にミーチェとアレクは賛成し、二人は風妃龍に肉薄する。 風妃龍も負けじとそれに応戦する。 「よしっ、いくか。 それは死。 如何なるものも逃げる事の出来ない普遍のもの。 今、その力をもって全てを終わらせよ。 離れろ!!【タナトス・ジャッジメント】。 」 すると、風妃龍の頭上に巨大な扉が現れる。 その扉が開くと中から無数の鎖が伸び、風妃龍をがんじがらめにする。 さらに鎖はアレク達にも迫るが、それは振り切られる。 「てめっ!?.........こんな危ねえもん使うなっ!!」 そんな事を言っているうちに、扉から新たに巨大な鉾が現れ、暴風の鎧をもろともせずに風妃龍を串刺しにした。 そして、扉が消えたと同時に、風妃龍は生き絶えた。 「ふぅ、疲れるな。 」 しかし、無事に倒せたものの、この後にアレクとミーチェによる長時間の説教が待っている事をフォイマはまだ知らないのであった。 ───C班──── ミリーナ、ユマ、カルナで構成されているこのC班は、実は一番順調であった。 「ユマさん.........今どこ? 」 「えっとね.........あの川を越えたから......大体ここだね。 」 そう言ってユマはトンッと自分達がいる所に指をおいた。 「もし、このまま魔物の強さが比例していくように上昇するとして.........どれだけ順調にいっても最低35年はかかるね。 」 「35年!?そんなに険しい道のりなの? 」 予想外だと言わんばかりにカルナが驚きの声をあげる。 「うん。 実際僕たちはあまり強い魔物には遭遇していない。 恐らくだが、他の班はもっと手こずっていても妥当だ。 」 さらに、とユマは続ける。 「それにあの少年の事だ。 また、難易度を変更するといってもなんら不思議ではないしな。 さぁ、時間は思っている以上に少ない。 さっさと頂上を目指そう!!」 そう言ってユマは先頭をきって進む。 ユマ、中々考える力があるようだ。 ナルシストだけど。
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