第11章

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ユマ達が暫く進むと洞窟が見えた。 「ユマさん。 こんなの地図にあったっけ? 」 「いや、知らないよ。 隠しステージじゃないのかい? 」 ユマは地図と辺りを交互に見回し確かにその洞窟が地図に載っていないのを確認する。 「とにかく怪しいわね。 とりあえずここは避けましょ。 ねぇ、ミリーナ..........ミリーナ? 」 しかし、ミリーナは1人その洞窟へ近づいていく。 「ミリーナ、どこへ行くんだい? まさか、洞窟に行くとは言わないよね。 」 ユマの言葉に振り返ったミリーナはというと 「冒険の........香り!!」 随分とアクティブになったミリーナだった。 その後、どうしてもというミリーナの熱望によりユマ達は渋々その洞窟へと足を進めた。 洞窟の中は薄暗く、冷んやりとしていた。 ユマは時々壁に埋まっている鉱石を採ろうとするが、カルナに魔法だからと何度も止められた。 暫く進むと、大きな湖がユマ達の前に姿を現した。 水は何処までも澄んでいて、小魚たちが泳いでいた。 「ここで行き止まり、だな。 」 「冒険......出来てない。 」 特に何もなく終わりホッとしたユマと対照的に残念がるミリーナ。 しかし、ミリーナは湖の底を見つめながら、秘密の通路が開かれるのを待っていた。 「秘密の階段.........でない。.......んっ? あれは....。 」 ミリーナの願いが通じたのか巨大な湖の向こうから何かが近づいてくるのが見えた。 「階段!?.....通路!?...........ハッ、案内役!!」 「違うわよ!!敵よ!!」 カルナはミリーナを引っ張り湖から離れる。 迫りよる何かは大量の水飛沫を飛ばしながらその身体を陸へと移した。 「こいつは........水龍レラカントラじゃないか。 」 「キュオオオオオオオ!!」 レラカントラはいきなり大きな水弾をミリーナ達目掛けて数発放つ。 それは当たらないものの大きく地面を削る。 「なんて威力よ!?水でしょ? 」 カルナはかわしつつも無詠唱で雷属性の中級を放つ。 属性の優劣はあるものの水龍レラカントラはXランク、ダメージなどゼロに等しかった。
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