第11章

14/42
前へ
/546ページ
次へ
これというもの全て零のせいである。 忘れがちだが、零は一応主人公の器なので、特有の色々なイベントに遭遇する能力を持っているのだ。 決してホモなだけでは無いのである。 零達はこのサバイバル開始10分で隠しステージに突入、それから数々のトラップを掻い潜って来たのである。 「みんな、次は右に行くわよ!!」 零の指示に従えば、ほぼ確実に命を落としても不思議では無いほどのトラップに遭遇するのは身に染みるほど理解していたシリアは馬鹿のジェルも当てに出来ないので自身の決断のみでここまで進んで来た。 その決断はやはり今回も正しかったようで、巨大な岩石は左の道へと進路が逸れていった。 「はあっはあっ.........疲れたわね。 」 「やばい........死ぬのじゃ。 」 「全く.......どうしてこんなにも罠が多いんだろう........ハッ、陽姫の愛の鞭か!!」 あれほど追いかけ回されたというのにやはり零は通常運行である。 「ところで、今までとはちょっと違う雰囲気のところね。 」 シリアの言うとおり、これまでのように魔道人形に襲われたり、息をする暇も無いほど大量の矢が飛んで来たり、他にも色々あったが、ここは何も無かった。 「とりあえず休憩しよう。 」 そう言って零は近くの岩に腰掛けるが、ここでも主人公スキルの発動である。 岩は、ガコッと沈み零はコケる。 すると、洞窟全体にゴゴゴゴゴゴゴという音が響き渡り始める。 「零、あんたまたなんかやらかしたわね!!」 「いやっ.......そんなつもりは........あれは!?」 零が指差す。 その先には先程まで壁であったところが見事に何処かへの入り口のように変わっていたのだった。 「これは行くべきかしら? 」 「分からん。じゃが、もしかしたら出口に繋がるかも知れんぞ? 」 あれこれと話し合った結果、零達はその通路を進んで行くことにした。
/546ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2244人が本棚に入れています
本棚に追加