第11章

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「はあっ!!」 意識が完全に覚醒し、魔武器のクナイを持ってユピラに背後から襲いかかるアルド。 しかし、ユピラの尻尾に防がれ攻撃は失敗する。 「アルド、避けろ!!【豪炎滅却】。 」 そう指示し、カイルは魔法を放つ。 四方から現れた炎が灼熱の渦となりユピラを封じ込める。 「はぁっはぁっ............流石に究極の詠唱破棄はきついな......。 」 「ですが、あまり持ちませんよ。 私がとどめをさします。 太陽を司りし者よ、その力の片鱗を我に与えよ!!【アグニ・フォルム】。 」 するとリリアはいきなり炎の花に包まれてしまう。 カイルとアルドがそれに驚く中、花が開き、中から炎で出来たレガースとガントレットを装着し、髪も炎のように赤く染まったリリアが現れた。 「はぁ......なんでこんなに派手な演出なのでしょう。 まぁ、いいですわ。 今はユピラが最優先。 」 「キュオォォォォォォォン!!」 リリアの変身が完了したのと同時に炎の渦を吹き飛ばしたユピラ。 全身に雷を纏い、輝いているユピラの姿は某狩猟ゲームのあの方のようである。 先に動いたのはユピラ。 木々がユピラの進路を遮っているが、ユピラの纏っている雷のせいで全て塵になっていく。 「ふぅ...........では、行きます。 」 リリアが軽く地面を蹴るとリリアの姿が消えた。 カイルとアルドは姿を見失うが、すぐに見つけられた。 「はあっ!!」 ユピラの右側に移動していたリリアはユピラが反応出来ていないのを見て胴体をぶん殴る。 三メートルの巨体はトラックに撥ねられた猫のように吹っ飛び、木々をなぎ倒しながら数十メートル程移動した。 「リリア、やったのか? 」 「いいえ。 拳が接触する直前に僅かに衝撃を殺されました。 恐らく、身体を覆う雷を触角代わりに使っていますわ。 」
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