第11章

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リリアの言う通りで、ユピラはゆっくりと起き上がるのが見えた。 纏う雷は荒々しさを増していて、ダメージはほぼ無いようにみえた。 「私が攻めます。 アルドさんとカイルさんは援護をお願いします。 」 「承知した。 」 「了解!!」 まず、リリアが動く。 遥かにパワーアップした身体能力を駆使し、ユピラに攻撃を加えていく。 しかし、雷が触角となり、どれも決定的なダメージとはならない。 「くっ、当たりませんわね!!」 ユピラがリリアに意識を集中させていたのを狙いアルドが追撃に向う。 「いくぞ。 【サンドウルフ】×30。 」 アルドの掛け声と共に砂で出来た狼達がユピラに襲いかかるが、全てかわされ木に激突する。 「リリア、避けろ!! 繋がる鋼は全てを切り裂く【鋼糸路】。 」 アルドが叫んだ。 リリアは高まった身体能力で高く跳んだ。 ユピラもそれに続いて空へと逃げようとするが、アルドの魔法が邪魔をする。 先ほど砕け散った魔法に込められた魔力が繋がり鋼糸となり、ユピラに絡みつく。 硬度凄まじいのかユピラは動こうにも動けないでいた。 「よしっ。 後は頼ん.......zzz。 」 役目を終えたアルドはそのまま俯きに倒れそして寝た。 「分かりました!! カイルさん、アルドさんを連れて離れて下さい。 」 「分かった!!」 リリアはそう言うと、思いっきり地面を蹴った。 瞬間でユピラの目の前にたどり着き、リリアは右拳を思い切り打ち込む。 「はあっ!!【破豪】ッ!!」 ゴッという衝撃と凄まじい爆発が起きる。 カイルはあまりの威力に呆然としていた。 「ふぅ.......やり過ぎましたね。 」 炎の装備を解除したリリアの目の前には抉れた大地が果てしなく続いていた。 もちろんユピラの姿など無かった。 「リリア、今のは一体.........。 」 安全なことが分かったカイルはリリアに近づいてそう言った。 「あ、【破豪】ですか? それとも【アグニ・フォルム】ですか? 」 「いや.......どっちも聞きたい。 」 リリアは丁寧にカイルに説明した。 要約すると【アグニ・フォルム】は神級の太陽属性魔法で火の神の力を具現化して装着するもの、【破豪】は【アグニ・フォルム】の状態でのみ打てるらしい。
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