第11章

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「..........というわけです。 理解してもらえましたか? 」 「あぁ、なんとか。 だが、もうちょっとコンパクトに纏めて欲しかった。 」 カイルがこういうのには訳がある。 実はすでに日は沈んでいた。 リリアの説明は約八時間ほどあったためである。 「すいませんッ!!話すとつい時間を忘れちゃって.......。 」 リリアは周りの暗さを見て状況を把握し、すぐさまカイルに謝る。 「別に構わないよ。 取り敢えず、洞窟か何か探そうか。 」 「...........というのが現在の状態です。 」 「そうか。 では、引き続き監視を頼んだぞ。 」 陽姫は現実世界で騎士団の団員達の訓練をみながらミニ陽姫に状況を聞いていた。 実は、団員達は解散してからすぐに話し合い騎士団員としての自覚が無かったと感じて食堂にいた陽姫にすぐにでも訓練を受けたいと言われたのである。 「ほらほらァ!!そんなので騎士が務まると思ってんのかァ!?」 そして現在は特別講師の夢生さんのスパルタ授業中である。 日頃の鬱憤(主に陽姫に対するもの)をぶちまけている。 いわゆる八つ当たりである。 「夢生、人なんだから手加減しろよ!!」 「分かってるって!! おらおらァ!!こんなものかよ? 」 騎士達相手に無双する夢生の顔、素敵である。 「レイナ、ヤキ、お前らも混ざって来いよ。 」 「ハルキ、人はそれを自殺と言うんだよ。 それよりもハルキ。 お前をぶっ飛ばしてやりたい。 」 繰り広げられている惨劇を尻目にヤキは陽姫にそう言う。 「はいはい。 寝言は寝て言うもんだっ───危なっ!?」 不意打ちでレイナの剣が陽姫の頬を掠めた。 「じゃあ、二対一でやりましょ? 」 「いや、私も混ぜろ!!」 「じゃあ、今からうちのマスターのハルキ・ウラワ対ヤキ・カーライン、レイナ・スラウェシ、イクハ・フィールリアによる変則試合を始める。 司会はこの私、夢生がお送りするぜぃ!!」 半ば強引に進められたが、すでにヤキ達は殺る目をしているし、その上試合をみようと集まったギャラリーも増えて最早やめられる空気ではなかった。 更に後からガイジュとリーナも書類整理を大臣達に押し付け観戦にきていた。 「おぉ!!ここにいたのか、イクh「おらっ!!」ガハッ!?」 イクハを見たガイジュは愛の抱擁をするために走り出す。 イクハもそれをみて駆け出し豪快なラリアットをぶち当てる。 「久しぶりだな、親父。 」 そしてそう言うが、すでにガイジュに意識は無かった。
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