第11章

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「おっ、本体が来てくれるとは嬉しいなっ!!」 イクハは挨拶がわりに右拳を突き出す。 陽姫はかわして後頭部に蹴りを入れようとするが 「こん.......おらぁ!!」 イクハは無理に体制を崩ししゃがんだ状態から後ろにいるであろう陽姫を蹴り上げようとする。 「うわっ!? 」 対処できない陽姫は見事にそれを腹に受け、壁際まで吹き飛ばされる。 「光と闇のその向こう。 果てしなく続く混沌にその身を滅ぼせ!!【カオス・デストラクション】。 」 続けてイクハの追撃がくる。 灰色の巨大な球のようなものが陽姫に迫る。 「くっ.......擬似混沌属性かよ。 奪妃。 」 『何? せっかくサマーバケーションしてたのに。 』 刀のくせに何を言ってるんだ、そう思った陽姫だったが取り敢えず目の前の出来事に対処することにした。 「奪妃、いけるか? 」 『う~ん、容量は馬鹿でかいけどなんとかなるわよ。 』 「じゃあ、いくぞ!!」 ギリギリまで迫っていた灰色の球体に向かって陽姫は奪妃を振りかざす。 奪属性の魔力を纏った奪妃は灰色の球体を見事に斬り裂き消滅させる。 「なっ!?」 よほど自信があったのかあっさりと斬られたことに唖然とするイクハ。 しかし、そんなことをしてる暇は無い。 刀だからこそできる無駄の無い洗練された動きで陽姫はイクハに斬りかかる。 対するイクハも魔武器である双剣で対処する。 (ちっ.......手数が多すぎ....ッ!?) そうこうしている間にイクハは双剣の片割れを弾き飛ばされ、更に、壁際まで追いやられる。 「イクハ、勝負あったんじゃないか? 」 陽姫はニヤリと笑って言う。 「まだヤキ達がいr「「向こうも完了したぞ、本体。」」......えっ!?」 「おう、ご苦労さん。 そういえばイクハ達には言ってなかったが、俺の【氷像分身】は俺が身体強化をした状態の身体能力を保持している。 イクハですらこうだ。 他の二人とも決着はついた。 それでもやるか? 」 イクハを囲む三人の陽姫。 もはやイクハに選択の余地は無かった。 「.......降参よ。 」 この後、敗北したイクハ達も夢生の八つ当たりを受ける羽目となった。
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