第11章

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それはに驚いた。 戦ったわけではないが、ステラは強い。 陽姫はそう感じていたからだ。 「なに、そこまで驚くことなどないよ。 私より凄い最高神などどこにでもいるしな。 」 ステラはそう言ってリクルスの出してくれたクッキーを口に運んだ。 「むっ.......これも格別だな。 また買ってきてもらうか。 」 「テスラ、1番聞きたかったことなんだが、俺が呼ばれた理由は? 」 陽姫はそれが聞きたかった。 というかテスラの話を聞いてから余計に聞きたくなったのだ。 「理由は..................知らん。 」 陽姫はずっこけた。 「おいこら。 知らないなら変な間とか作るな。 」 「まぁまぁ...........おっともうこんな時間か。 陽姫、行くぞ。 」 テスラは最後のクッキーを口に放り込んでそう言った。 というか陽姫は1枚も食べてなかった。 相変わらずの白で埋め尽くされた宮殿内を歩き、陽姫達がたどり着いたのはこれまた限りなく白い部屋だった。 「着いたぞ。 ここから天上界に向う。 」 「テスラ.......天上界は白く無いよな? 」 やはり陽姫は限りない白さに慣れていないので、若干顔色が悪い。 「あぁ、残念ながら白一色ではない。 」 テスラは残念そうに言う。 陽姫は顔には出さなかったが、内心かなりホッとしていた。 「じゃあ行くぞ。 転送装置、作動。 」 テスラはそう言って神力を流す。 すると床に複雑な魔法陣が描かれ始めた。 それは数秒で完了し、それと同時に激しい光を放つ。 「まぶ───!!」 そして二人の姿は消えた。 ───天上界──── 「───しいっ..........あれ? 」 光が収まったのが分かった陽姫はゆっくりと目を開けた。 すると、白しか無かった部屋ではなく、石造りの魔法陣とあたりに広がる草原........そして遠くに見える巨大な城であった。 「ここが.......天上界か。 」 「ささっ、行こうか。 」 そこから歩くこと10分、陽姫達の目の前には巨大な門があった。
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