第11章

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「でかいな。 」 「あぁ。 神の中には10センチくらいの者から数十メートルの者までいるからな。 私達はこっちから入るよ。 」 そう言ってテスラはその巨大な門の横にある普通サイズの扉から中へと入った。 「おぉ.............これまた凄いな。 」 「ふふっ....天上界の城、クラマトへようこそ。 」 陽姫の目の前に広がる城内は幻想的で映画の世界のようだった。 リリアの城やカロンの城を見たことのある陽姫もこれには驚いた。 まず目に入ったのは巨大な木。 それもただの木ではなく、枝先から淡い緑色のような光を放っていてクリスマスツリーの電飾のようだった。 その木の両サイドからは階段が伸びており、2階へと続いている。 「これでもまだクラマトのほんの一部だよ。 案内してやりたいが.......先に会わせ無ければならないからな。 辛抱してくれ。 」 テスラはそう言って再び歩き出す。 木の横の階段を登り、2階にたどり着く。 2階には広いフロアがあり、それぞれの棟へと続く通路が幾つもあった。 陽姫達はそのまま進んで2階の奥にある3階へと続く階段を登る。 「にしても凄いな.......こりゃあシンデレラも驚くくらいだ。 」 「聞いたことがある。 確か君の故郷の童話だったな。 魔法をかけてもらったシンデレラがお城の舞踏会で王子様と踊って............えっと、魔王を倒すんだっけ? 」 「ぶっ飛びすぎだろ。 てか、魔王なんて出ないし。 でも、この階段はシンデレラの話に出てきた階段みたいだなと思ってな。 」 そうこう話している内に新たな扉の前に到着した。 「TK-026、第371エリア管轄のテスラです。 ハルキ・ウラワを連れてまいりました。 」 テスラは扉をノックし、何時もとは違う口調でそう言った。 暫くして中から『入れ』という言葉があったので、テスラと陽姫は恐る恐る中へと入ろうとした。 「失礼しm「やっふー!!テスラちゃん!!」きゃっ!? 」 扉を開けると同時に水色の長い髪の女の子がテスラに飛びついた。 「ッ!?黄泉様、おやめ下さい。 」 急な展開に陽姫は扉のそばで突っ立っていた。 黄泉という少女はまだテスラの上から退こうしない。
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