第11章

28/42
前へ
/546ページ
次へ
銀色の短髪に額から伸びる角が特徴的な男は魔法を唱え、陽姫と黄泉を空間ごと切り離す。 「空間魔法!?...........なんだ? 」 「よくも小さいって言ったわね...........ボッコボコにしてやるっ!!」 半径20メートルほどある空間の中、戦いが始まろうとしていた。 黄泉は大剣を召喚し、それをもって陽姫との距離を詰める。 このままではやばいと思った陽姫は魔衣【冷気夜影】を発動し、応戦する。 「せやっ!!」 黄泉が大剣を振り下ろす。 陽姫はそれをかわし、攻撃後を狙って黄泉に蹴りを放つ。 しかし、黄泉は大剣を手から放して蹴りを回避し、新たに魔法陣から大量の槍を飛ばす。 「ちっ、【影食い】。 」 陽姫は自分の影を立体化させて槍を飲み込ませる。 更に【ワープ】で黄泉の背後にまわるが 「予想済み。 【ガン・パレード】。 」 黄泉は巨大な魔法陣を展開する。 すると、そこから大量の重火器が現れ陽姫に集中砲火を浴びる。 しかし、魔衣による圧倒的スピードでは陽姫にかすることすら無く、陽姫の氷の槍に重火器は貫かれ爆発する。 「くっ......当たりなさいよ!!」 「ふざけるな。 というかここから出せ。 」 遠距離攻撃は無理だと判断した黄泉は新たに武器を召喚しようとする。 「これで潰してあげる。 我、軍器の神の名の下に偉大なる剣神の力を与えよ。 封印解除、アミラ!!」 黄泉がそう唱えると、先ほどまでとはまるで別次元のような魔力が魔法陣から溢れ出す。 そこから現れたのは一風変わった刀であった。 ぐねぐねと曲がった刀身は緑色と気味が悪く、鍔は無い。 「さて、この魔刀『アミラ』に斬り殺されなさい。 」 それは明らかに危ない雰囲気を醸し出していた。 そのことが分かっていた陽姫は嫌な汗が流れた。 「いくよ、アミラ!! 」 黄泉はアミラをその場で振るう。 陽姫が攻撃範囲に入ってきた訳でもなかった。 「なっ.....ぐっ!!」 しかし、陽姫は右肩を浅くだが斬り裂かれた。
/546ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2244人が本棚に入れています
本棚に追加