第11章

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(一体.......どういうことだ? 距離を無視できるのか? ) これでは一方的にやられると感じた陽姫は高速で黄泉へと近づく。 防ぎようがないならその前に潰す、陽姫はそのつもりであった。 「やられるかっ!! 対戦車砲、発射。 」 黄泉は再び魔法陣から兵器を喚び出す。 陽姫の目の前に現れた対戦車砲は20、それらから砲弾一斉に陽姫に放たれた。 「邪魔だっ!!【インフェルノ・ブリザード】。 」 地獄の氷を再現した陽姫の魔法が全ての砲弾を凍らせる。 流石、火さえも凍らせる氷である。 「なっ!?」 あっさりと突破され、ほぼ完全に無防備になってしまった黄泉。 陽姫は渾身の力で殴りかかる。 「アミラ!!」 黄泉がそう叫ぶとまるで意思をもっているかのように突然動きだし、刃先を陽姫に向けてその刀身を伸ばす。 「なっ!?」 陽姫はかわそうとするが間に合わない。 咄嗟に空気属性の魔法を自分のそばで放ち、その衝撃で身体をなんとか刃の軌道からずらす。 「ちっ、またかわす!?」 陽姫は空間の端まで吹き飛ばされる。 「ちっ.......あれに直接触れるのはヤバイ。 奪妃。 」 魔衣を纏っていてもヤバイと感じた陽姫は仕方なく奪妃を喚び出す。 「よしっ!!ここから反撃d───ああ亜ぁぁぁあぁぁぁぁああああ!?」 奪妃を持った瞬間、とてつもない頭痛が俺を襲った。 なんだ....頭...が..........痛い。 「なんだか分からないけど、終わらせてやる!!」 陽姫の異変を好機とみた黄泉は陽姫へ追撃をしようとする。 「くっ......我と..全てを....隔てよ!!......【絶空】!!」 このまま攻撃を食らうのはよくないと判断した陽姫は前方の空間を断絶し、自身を隔離する。 「なっ!? おい、シュウ!!なに変なことやってんだよ!!」 黄泉は突然前方が防がれたのが術者のシュウせいと思っていた。 「知らねぇよ!!あのハルキって野郎の所為だよ。 俺の空間に干渉してきやがった!!」 その言葉に他の傍観していた神も僅かに動揺していた。
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