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「ほらっ、謝りなさい。 」
神達の中から髑髏の面を頭につけた女性と、今回の戦いの原因........黄泉が出てきた。
「うぅ~...............めん。 」
「聞こえないよ。 ほら、ちゃんと言いな。 」
まるで母親のようなその女性は黄泉の背中を押して陽姫の目の前に立たせる。
「.........ごっ、ごめんなさい!!」
思いっきり頭を下げた黄泉。 陽姫は急なことに反応出来ないでいた。
「........あ、あぁ、別にいいよ。 お前の所為じゃないし。 」
「へっ? 」
あの謎の映像のことは話さない方がいい気がした陽姫は適当に話を繕った。
「あれは........あれだ。 そう、物凄く頭が痛くなる時間だったんだよ。 」
我ながら酷い言い訳だ、と陽姫は感じていたが、気にせず続ける。
「だから気にするな。 もう終わったことだし。 」
陽姫はそう言って黄泉の頭を撫でてやった。 黄泉は恥ずかしかったのか、陽姫の手を払って医務室から出て行った。
それから他の神達も一言ずつ自己紹介等をして医務室を出た。
そして、医務室に残ったのは陽姫、テスラ、アルベナだけになった。
「ハルキ君、さっきの話.........嘘なんだろ? 」
アルベナがそう聞いてた。 陽姫は黙ったままだったが、アルベナは続けた。
「どういう理由かは知らないがあの嘘は酷すぎるよ。 みんな何も言及はしなかったが、嘘だということは分かってる。
何故、真実を話さない? それとも話せないのか? 」
アルベナは真っ直ぐ陽姫を見て言った。
「.........分からない。 話してもいいのか.......それとも話さない方がいいのかは。
正直、あの時の記憶は曖昧だ。 何かを見たのは確かだが、何を見たのかはさっぱり分からない。 」
陽姫はそう言った。 映像は曖昧だが、あの言葉だけはしっかり覚えている。
『たとえ地獄へ落ち、魂が砕けようとも!!』
この言葉が何に対するものなのかは全く分からない........だが、この言葉を忘れてはならない気がする。
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