第11章

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「考えても仕方ない........寝るか。 」 陽姫はとりあえず瞼を閉じた。 疲れていたのか案外早く眠りにつくことができた。 「......ろ。 」 誰かが呼んでる? .....さっきの映像か? 「........きろ!!」 でもなんだろう........危険な予感が....... 「起きろっ!!」 「ぐはっ!?」 鮮烈な痛みで目が覚めた。 どうやら黄泉に思いっきり蹴られたようだ。 「おはようが乱暴なんだよ。 」 「起きない奴が悪いんだよ........それよりも晩御飯の時間だよ。 」 痛む腹をさすりながら黄泉に連れられたのは2階の別の広間だった。 上位10位までの神とテスラはすでにそこで立食パーティーを楽しんでいた。 「これはなんだ? 」 「パーティーよ。 見れば分かるじゃん。 」 陽姫達に近づいて来た女がそう言った。 「.....なんだ、リシテアさんか。 というか、女装するなよ。 」 陽姫がリシテアと呼んだ人物は序列6位、精神の神である。 見た目はどこからどう見ても女性だが、中身は完全に男.........つまり男の娘である。 「いいじゃんか。 こうしていれば男がよってきて色々奢ってくれるんだよ。 」 そう言ってリシテアはワインボトルを仰ぐ。 本当に綺麗なのは見た目だけである。 「というか、なんでパーティーなんかやってるんだ? 」 「あ...........私もさっき聞いたんだけど、ハルキがここに来たお祝いだって。 」 黄泉はそう言うと、何処からか持ってきたシュークリームを口いっぱいに頬張った。 というか、俺にもよこせ。 「おぉ、ハルキ。 やっと主役の登場だ!!」 そうこうしているとアルベナは陽姫達を見つけ、こちらに近づいてきた。 「さぁさぁ!!飲め!!」 「今はいい。 とりあえずなんか食わせろ。 」 強引に酒を勧めてくるアルベナを押し返し、陽姫はテーブルに並んでいる豪勢な料理の前に立つ。 「さて、ここからは俺の独壇場だ!!」 「美味かった。 ごちそうさま。 」
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