第11章

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「凄いぞ、主!!」 「流石、ハルキ殿です。 」 空間から出た陽姫は第一段階がクリア出来たので、リオン達と話をしていた。 「あぁ。 まさか、魔力の無いところで操るのがあんなに難しいとは思わなかった。 」 「いや、成長速度なら1番よ。 」 そう声を掛けたのは黄泉だった。 「私だって神力を操るのには苦労したわ。 あんたみたいに早くなかったし。 」 黄泉いわく、神が神力を自由に操れるようになるのには少なくとも3ヶ月はかかるらしい。 だから、黄泉を含む神達全員は陽姫の成長速度に驚いていたらしい。 「そういえば、主の成長速度は異常じゃからのぅ。 」 「そうだね。 私達が初めて出会った時に比べて遥かに強くなってる。 」 リオン達はそう言うが、陽姫にはあんまり実感は無かった。 そして、陽姫が修行を始めて10日が経った。 「おらっ!!」 「甘いですっ!!」 今、肉弾戦最強の天千代と戦っている最中である。 あれから、いじめのような修行を乗り越え、ここまで体術に仕上げた陽姫だった。 「主~、そろそろリリア達の修行も終わる頃じゃぞ~。 」 リオンは疲れた様子だ。 それもそれもそのはずで、陽姫が修行してある間にリオン達もやることになり、修行(いじめ)を受けていたのだった。 しかも、その修行中に凄いことが分かった。 クラムが天使だったことだ。 気付いたのはリシテアで、神力を使えたのがその証明だった。 リシテアいわく、クラムは回復系統の神力を持っているが、フレジリアに長いこと居た影響で殆ど使えないらしい。 これで、浦和家にちゃんとした人間が居なくなったというわけだ。 「そうだなッ!?......ちょっ、喋ってるから!!」 「戦いの最中にお喋りなんて入りませんよッ!!」 天千代は神力を纏った右腕が陽姫を貫こうとするが、陽姫も同じように神力で防御し、一瞬でリオンの元へ飛ぶ。 「天千代さん、休憩にしよう。 それと、アルベナは何処にいる? 」 「確か、アルベナさんなら書物庫にいますよ。 」 それを聞いた陽姫は、バン達がここにいてもいいのかということを聞きにいった。
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