第11章

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私達の罪.......それは、先代が犯した罪。 許されざる行いだ。 詳しくは私も知らない。 なんせ数百億年も前の話だからな 『だからハルキ君に修行つけてあげてね。 それと、君自体も罪について知っておくべきだよ。 』 始源神様が言うには、書物庫にある文献に真相が書かれているらしい。 「にしても........本当にあるのか。 」 始源神様に言われた日から10日経ち、すでに数百もの本を読んだが未だに何も分からない。 片っ端から読んではいるが、如何せん蔵書数が多い。 というか、数えきれる量ではない。 「全く........どこにあるのやら.........んっ、これは? 」 無限に続くような錯覚に陥るほど長い本棚をぼんやり眺めていると、ふとあるタイトルに目が惹かれた。 [日記~ハーネット~] 私はその薄い日記を手に取りそっと表紙を開いた。 ────これは私がお仕えさせて頂いた短い間の日記である。 中扉にはそう書かれていた。 私はゆっくりと中を見ることにした。 ○月△日 今日から私はメサイア様に仕えることとなった。 あの方は誰にでも平等で優しい.........本当に女神と言っても過言では無い。 今日もやる気が空回りしてしまい、メサイア様の大事な食器を割ってしまった。 だが、メサイア様は食器のことよりも私の心配をして下さった.........私は生涯、この方に仕えると決めた。 □月☆日 お仕えし始めて1ヶ月が経った。 今日もメサイア様を喜ばせるため、色々な話をした。 メサイア様は笑ってくださる........でも、あれは本当には笑っていない.......そう感じる自分がいた。 それに何だかお疲れのように感じる。 私が尋ねても、メサイア様は大丈夫とだけしか仰らない。 ◎月□日 最近、妙な噂を聞いた。 それは神の中で『奪属性』に目覚めたものがいると。 しかし、奪属性というのは本来あってはならない。 何故なら、全てを奪えるからだ。 まぁ.......そんなことは私には関係無いのだが。
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