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暫く経つと歓迎演奏が終わり、各クラス教室でLH(ロングホームのこと。学級活動とも言うみたい)をすると言われたので、手を掻きながら自分のクラスである1年1組に向かう。
黒板を見ると、そこには先輩達が書いたのであろう、ビッシリと歓迎の言葉がカラフルに書かれていた。
(.....少し目がチカチカするな。)
と思いながら自分の席に着いた。
すると1人の教師が入ってきた。その教師を見ておそらく担任だろうと目星をつけていると、担任の自己紹介が始まった。
「えーっと、皆さんの担任になりました、宮川です。新任ですが、1年間よろしくお願いします。」
短く纏められた自己紹介だったが、クラスは拍手の音に包まれた。
担任は照れ臭そうに微笑を顔に浮かべ、顔を少し赤く染めながら1つ咳払いをすると、生徒1人1人も自己紹介をするようにと言った。
もちろん出席番号が早い人から順に自己紹介をしていくのだが、つくづく思うよ。出席番号が1番の人って基本的に最初に何かやらされるから大変だなって。
出席番号が1番の子の自己紹介が終わり、その後もテキパキと自己紹介が終わっていく。その途中見覚えのある姿が見えた。そう。俺の腐れ縁の1人だ。
そして俺はそいつの姿を確認すると流れるように手を自分の顔の横に近づけ、そして.....耳を塞いだ。
なぜなら...「大空大地です!河城小学校出身です!皆さんと仲良くしていきたいです!一年間よろしくお願いします!」.....声がとても大きいからだ。
こいつの名前は大空大地。背は高めで、成績は優秀だが、スポーツは得意ではない。そして声がとても大きい。沖縄県出身だが、俺とこいつは幼稚園の時に知り合ったが、詳しい話は別の機会にしよう。
大地の自己紹介が終わると拍手が教室を包む。
俺はその拍手の音を聞きながら自己紹介で何を言おうかと一生懸命模索していた。
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