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「うっす、お呼びかよ船長?」
ヒュドラが声の方向に振り向くと、頭の左側はふさふさだが、右側は髪を全剃りしていて禿げていて、さらに顔中黒い線のタトゥーまみれの自分より体格の良いいかにも悪人面な男、パイクシスが現れる。
「デルフィネス殿が敗れたと聞きましたが、真ですかな?」
その隣の、中年の細目の男性、ドラドが問い掛ける。彼も体格の良い方だし背も高いのだが、隣にパイクシスがいると小さく見えてしまう。
「おう、そういう訳でお前ェらを呼んだ訳だしな。
他の連中はまだかよ?」
「ブケン君とホエールのおじ様は、先に迎撃に向かったよ?」
トコトコと、海賊達に混じるには似つかわしくない桃色の髪の少女がその場に現れる。
ワンピースっぽい衣服を身に纏うその少女。ただし、彼女が人では無いのは誰の目から見ても明らかである。
その手は鉤爪の様になっていて、腕は羽毛で包まれていた。
髪も、よくよく見ると羽毛のそれである。
彼女の名は操鳥(アヤトリ)。見ての通り、魔族である。
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