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「あ。あとね、何かさー。魔族の女の子が襲撃して来たんだってさ。」
その言葉に、ふむ? とドラドが呟く。
「何か戻って来た仲間によるとね、頭を木にぶつけてる愉快な魔族見掛けたから、とりあえず声をかけたら襲われたんだって。」
「……おいおい、イカれちゃってんじゃねーのそいつ?」
そう言って、ゲラゲラと下品な笑い声を上げるパイクシスに、ドラドはやや不快そうな表情を浮かべた。
「でも可愛い女の子だったみたい。どうせなら、仲間にしたいなぁ。同い年の友達とか欲しいし、魔族の仲間がもっと増えてもいいと、私は思うのだよ。」
「思うのだよって言われてもな……どうすんだよそんなイカれガキ。船に頭ぶつけまくって破壊されたらどうすんだ?」
軽く頭を掻くパイクシスの隣で、ドラドはふむ、と呟く。
「しかし、女の子か……ふむ、某は可憐なる操鳥殿の意見に賛成だ。」
「るっせーよロリコン。」
そんな発言に、さらにムッとした顔になるドラドを見かねて、そこまでにしときなと呆れた声が投げ掛けられた。
「あ、ハイドラス副船長。」
操鳥が、背の高い隻眼のと片足を義足にしている女性を見上げる。
「ヒュドラ船長も、楽しんで無いで早く指示を出しちゃくれませんか?」
はぁ、とハイドラスは溜め息を吐き出した。
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