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「解ってると思うが、出来るだけ無傷で通すんじゃあ無いよ?」
ハイドラスの言葉に、うぇぇ、と嫌そうな顔をしたのはパイクシスだ。
「船長がやりてぇつってんだし、いいじゃねぇか。勝てるだろうちらの船長なら。」
「だからと言って、確実に勝てるとは限るまい。」
ドラドの言葉に、それじゃあさ、と操鳥が提案をする。
「船長が負けそうになったら、みんなで袋にしちゃおうよ。
船長が怒ったら、負けた船長が悪いとでも言えば、多分船長も引っ込むし。」
「ゲハハ!さっすが! 小便臭い面してる割りに腹が真っ黒だぜ!」
「汚い事言わないの。大体、真っ黒なのはパイクシスのイチモツもでしょ。」
「……どっちもどっちさね。」
やれやれとハイドラスは息を吐く。
「んで、アンタはそれでいいのかい?」
問われたドラドは、うーむ、と呟く。
「某の騎士道精神に反する行為だが……ふむ、ヒュドラ船長には大恩があるしな。」
「よし、アタイはここに残るさね。あんたらは、武犬(ぶけん)の奴とホエール探してその旨を伝えな。」
「聖護士に遭遇したら?」
「さてね。ヒュドラ船長からの伝言伝えて、後は各々の判断に任せるよ。」
ハイドラスはそう言って、長銃を片手に高い建物に向かって歩いて行った。
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