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とりあえず、デルフィネスくらいの強さの奴が結構いるなら一般兵じゃあ相手にならないだろうと、ピスケラは単身だ。
単身で、こっちに向かって来る短い白髪をした白い髭だらけの屈強な老人を眺めていた。
むちゃくちゃマッチョで、三メートル近くあるのでは無いかという老人を見ながら、なんつーデカさだよとピスケラはぼやく。ぼやきながら、デルフィネスからパクった鉄球をブンブンと振り回す。
「お手並み拝見と行こうかねっ!」
ぶんっ、とピスケラはホエールに向けて鎖鉄球を放った。
「ムッ!それはデルフィネスの! おぬぉるぇぇい!弔い合戦じゃあいッッ!!!」
僅かに体を反らして鉄球を避けて、ホエールの体は加速した。
「おわっ……!」
予想以上の速度に、ピスケラの水の膜を張るのが遅れて、カットラスと喚ばれる剣の横薙ぎを僅かにしゃがみこんで避ける。
だが、直後に来たホエールの回し蹴りを右のこめかみにくらい、大きく砂浜を転がった。
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