10人が本棚に入れています
本棚に追加
「……ま、都合がいいよ。」
腕を軽く回し、再び鎖鉄球を握るピスケラを見ながら、ドラドは僅かに目を細めた。
「町の広場の方で、某の主、ヒュドラ船長がお待ちしている。」
「……はぁ?」
いきなりの発言に、ピスケラは僅かに目を丸くして首を傾げ、眉間に皺を寄せた。
それでも、一切隙は作らないピスケラを眺めながら。
「貴女と、一対一で決闘がしたいとの事だ。」
ドラドは、そこまで言ってから……腰にさした、エストックと呼ばれる刺突に特化したキリの様な剣を構える。
「……さて、某の任務は終わりだ。ここからは、某の独断也。」
「……ふぅん、成る程ねぇ。」
とりあえず、やる気満々の様だねぇ、とピスケラは笑みを浮かべながら鉄球を振り回す。
「我が名はドラド! ナイン・ファングが誇る九つが首のひとつ也!」
「ご丁寧にどうも。アタイはピスケラ・アルレーシャ。十二聖護士の一人さね!」
二人は同時に地面を蹴った。
最初のコメントを投稿しよう!