マリン・アサシン

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 世の中、簡単には平和にゃならないもんだねぇ~。ピスケラは思う。  今現在、彼女はとある町に向かっていた。  その町は今、現在進行形で海賊に襲われているそうだ。  ……なのに、この間抜けな程にのんびりと歩いて行くピスケラ。  理由としては、町の人々は既に避難しているという事。  それと、海賊達は船の修理中であってまだ町からは離れないだろうという事である。  そんでもって、彼女は単身、海賊殲滅の為に町に向かっているのである。  海賊の数は、およそ百人くらい。  彼女一人で、どうにでもなる数である。何故なら、彼女は十二聖護士の一人なのだから。  この世界にある、人間達の領土、全部で十二区あるうちのひとつを守る、十二人の、人類最強を謳う者達の一人なのだから。 「さて、と……」  山道から、高い所から見えるやや大きな町。そこには、巨大な船が見えた。骸骨に巻き付く、九つの頭を持つ蛇の旗が特徴的である。
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