マリン・アサシン

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 マオの目の前に現れた男は、なんというか……凄いビジュアルであった。  頭の真ん中から、左は髪がモッサリしてるが右肩は禿げている(多分、剃ってるんだろう。)  かなりガタイが良く、マオから見るとかなりの巨漢だ。  長いズボンの上は半裸で、身体中や顔中に傷……ではなく、黒い線の様なタトゥーを規則なく彫りまくっている。  凶悪極まり無さそうな顔の男は、自分を見るなりいきなり噴き出し、爆笑しだしたのだ。 「あややゃ……。」  完全に馬鹿にされてる。魔王は思った。  マオはしばしポカーンとしていたが、みるみるうちに白い顔に朱が登って行く。どうやら、馬鹿にされていると理解したらしい。  わなわなと体が震える。 「あーん? やる気かお嬢ちゃん? 俺を倒しても、オヤツは貰えまちぇんよー?」  そう言ってゲタゲタ下品に笑う男に、マオは殺気を向けた。
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