10人が本棚に入れています
本棚に追加
「うぉ……。」
いきなりその手に、不釣り合いな無骨な拳銃を握るマオに、パイクシスは脅威を覚える。
その赤い拳銃を出した瞬間、『こいつはヤバい』と本能がシグナルを出した。
「……死ね。」
愛らしい声と共に放たれる、熱線。その熱線は、あらゆるモノを一瞬にして蒸発させるだろう。それが、パイクシスの顔に向けて放たれたのだ。
「よっ……!」
パイクシスが静かに右手を前にかざす。すると、熱線が空間に吸い込まれるように、消えていく。
石を投げた水面に、波紋が現れるように空間が歪んでいた。
「え……?」
マオが再び、ポカンとする。対してパイクシスは、左手をマオに向ける。その少し先の空間が、波紋のように歪み……先程吸い込まれた熱線が飛び出す。
パイクシスの扱う魔法、『ドッペルゲンガー』
マオの顔に熱線は直撃し、マオの頭は一瞬で蒸発した。
最初のコメントを投稿しよう!