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「……――ッ!?」
異常な程に早い突きに、ピスケラはたじろぐ。
ドラドの鋭く、素早く、無駄の無いエストックによる突きは、ピスケラの目ですら捉えるのでやっとだ。
「チィッ……!」
ピスケラは背後に大きく飛んで、鎖鉄球を放り投げた。
ドラドはそれを上手く避けて前進してくる。
瞬間、ドラドの眼前に現れる水の膜。
「笑止!」
水の膜をあっさり貫きピスケラを狙うドラド。
が、僅かに遅くなった。ピスケラにとって、それで充分である。
「ぬっ……!」
水の膜が消えて、同時に間合いを詰めるべきダッシュしてくるピスケラ。
ドラドは、膝蹴りを放ち対応する。ピスケラは、そんなドラドの膝に頭突きをかました。
「ぐっ……!」
膝に走る激痛。ニヤリと笑ながら、ピスケラは拳を握り絞めて、軽装ながらも鎧に覆われているドラドの腹部にボディーブローによるシュゥゥト!超!エキサイティングッッ!!!
「ガファッッ!!?」
物凄い衝撃に、よろよろとドラドは後退り。
「……ぬ、アァッ!!!」
それでも、ピスケラに対し突きを放った。
「せい……やっ!!!」
そんなドラドの手を掴み、容赦一切無しの一本背負い!
更に、倒れたドラドに踵落としをかまして、息を吐く。
「ま、こんなもんさね。」
安全を確保し、ピスケラは遠くに待機する兵士らが解るように狼煙を上げた。
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