間章の一

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「……――ッ!?」  異常な程に早い突きに、ピスケラはたじろぐ。  ドラドの鋭く、素早く、無駄の無いエストックによる突きは、ピスケラの目ですら捉えるのでやっとだ。 「チィッ……!」  ピスケラは背後に大きく飛んで、鎖鉄球を放り投げた。  ドラドはそれを上手く避けて前進してくる。  瞬間、ドラドの眼前に現れる水の膜。 「笑止!」  水の膜をあっさり貫きピスケラを狙うドラド。  が、僅かに遅くなった。ピスケラにとって、それで充分である。 「ぬっ……!」  水の膜が消えて、同時に間合いを詰めるべきダッシュしてくるピスケラ。  ドラドは、膝蹴りを放ち対応する。ピスケラは、そんなドラドの膝に頭突きをかました。 「ぐっ……!」  膝に走る激痛。ニヤリと笑ながら、ピスケラは拳を握り絞めて、軽装ながらも鎧に覆われているドラドの腹部にボディーブローによるシュゥゥト!超!エキサイティングッッ!!! 「ガファッッ!!?」  物凄い衝撃に、よろよろとドラドは後退り。 「……ぬ、アァッ!!!」  それでも、ピスケラに対し突きを放った。 「せい……やっ!!!」  そんなドラドの手を掴み、容赦一切無しの一本背負い!  更に、倒れたドラドに踵落としをかまして、息を吐く。 「ま、こんなもんさね。」  安全を確保し、ピスケラは遠くに待機する兵士らが解るように狼煙を上げた。
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