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「あれ? 武犬(ブケン)君、一人? ホエールオジイは?」
操鳥は、一人の背の低い魔族に声をかける。
茶色のボロいマントと、ガンマン風のハットを身につけた、犬の顔の男。操鳥も身長は低いが、彼は更に小さい。
「ホエールさんとは、ちと別れて行動してやしてね……何か、要件でも?」
見た目よりだいぶ渋い声色に、えっとね、と操鳥はとりあえずの説明をする。
「武犬君はまだ知らないだろうけど、その女の人は十二聖護士で、デルフィネスさんはやられちゃったみたい。
まぁ、死んではいないってさ。」
とりあえず、ヒュドラ船長が戦いたがっているという事。
もし負けたら、全員でその十二聖護士をフルボッコにしようと思っている旨を武犬に伝えた。
「……了承しやした。それじゃ、あっしは先に戻りやす。」
「うん。あたしは、ホエールのお爺ちゃん探して来るね。」
そう言って去ってく操鳥に、お気をつけてと一言、武犬も町に向けて歩き出した。
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