10人が本棚に入れています
本棚に追加
「うっ……あ……。」
マオは、その小さな身体を震わせながらパイクシスを見上げる。
そんなマオに、やれやれとパイクシスは頭をかく。
「んな面すんなや、仕掛けて来たのはテメーだろ? 俺様の仲間を痛め付けやがってよォ?」
「ひぅっ……」
一歩近付くパイクシスに対し、マオは一歩下がる。
「あー、泣くなやー……へいへい、俺が悪かった悪かった。餓鬼相手に大人気なかったですよーっと。
ほれ、降参すんならこれ以上なんもしねーよ。その槍をとりあえず捨てな。あーん?」
荒い呼吸を繰り返しながら、マオはパイクシスを涙目で見上げる。
自分の力がまるで通用しない。
目の前の生き物が、とにかく怖かった。
最初のコメントを投稿しよう!