間章の一

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「マオさん、落ち着いて下さい! 逃げちまいましょーよ、ほら! 早く! あの鬼畜タトゥーさんが襲って来ますよ!」  ハッと、マオは目を開ける。 「泣きべそかいてる場合じゃないですよー! あ、泣いちゃうマオさん可愛いですけど、そんな場合じゃないです! マオさん!マオさーん!」 「……!」  マオは立ち上がり、大きく後退する。  誰かに痛め付けられるのは、自分でやるよりもずっと苦しくて辛い。  目の前の相手は凄く怖い。でも……。  マオは、頭の中にいる喧し過ぎる彼女に、カッコ悪い所を見せたくなかった。 「……まだやる気かぃ?」  急にその目に光を宿したマオに対し、パイクシスは軽く苦笑を浮かべた。 「はぁ。……ま、しゃあーねぇかねぇ。 いいぜ、来いよ。付き合ってやんよ。」  パイクシスは、再びチャークーを構えた。
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