間章の一

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「……ッ!」  少し考えて、マオは意を決したように赤い焔の槍、火尖槍をパイクシスに向けた。 「もえあがれ……かせんそー!」  マオの言葉に応え、槍は赤く輝き煌めき、燃え上がる。 「いっ……けえぇぇ!」  やがてその焔は、パイクシスに向かって飛ぶ。 「おーっと!」  自分を軽く包めそうな火炎を目前に、いけるかね? とパイクシスは思う。まぁ、行けなきゃ丸焦げの黒焦げだなこりゃ。  パイクシスは右手を突き出す。『ドッペルゲンガー』再びだ。  マオは大きく屈んだ。槍は焔と化して、消える。  ふー、とマオは息を吐く。マオの足下が燃え上がり、赤いローラースケートみたいな靴に変わる。  火炎を目前にしたパイクシスには、その光景は見えていない。  パイクシスは、マオの力を自身の力に変換し、マオに向けて放つ。『ドッペルゲンガー』は成功した事に、パイクシスは安心した。  マオは、自分に迫る火炎に……勢い良く飛び込んだ。
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