10人が本棚に入れています
本棚に追加
「……ッ!」
少し考えて、マオは意を決したように赤い焔の槍、火尖槍をパイクシスに向けた。
「もえあがれ……かせんそー!」
マオの言葉に応え、槍は赤く輝き煌めき、燃え上がる。
「いっ……けえぇぇ!」
やがてその焔は、パイクシスに向かって飛ぶ。
「おーっと!」
自分を軽く包めそうな火炎を目前に、いけるかね? とパイクシスは思う。まぁ、行けなきゃ丸焦げの黒焦げだなこりゃ。
パイクシスは右手を突き出す。『ドッペルゲンガー』再びだ。
マオは大きく屈んだ。槍は焔と化して、消える。
ふー、とマオは息を吐く。マオの足下が燃え上がり、赤いローラースケートみたいな靴に変わる。
火炎を目前にしたパイクシスには、その光景は見えていない。
パイクシスは、マオの力を自身の力に変換し、マオに向けて放つ。『ドッペルゲンガー』は成功した事に、パイクシスは安心した。
マオは、自分に迫る火炎に……勢い良く飛び込んだ。
最初のコメントを投稿しよう!