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「凄いでしょうマオさん? アレが十二聖護士ですよ。十二人いる、人の形をした魔神ですよ。」
ていうかこんな連中に命を狙われてたんだったなぁ、と魔王は思う。しかも、この人とは戦った事あったなと魔王は思う。惨敗だったけど。
微塵も勝ちの目が見えなかったのは最早いい思い出である。
「大丈夫かい? まったく、可愛いのが台無しじゃあないか。」
頭を撫で、微笑むピスケラを、マオはポカーンと眺める。
「さて、アタイは親玉をやつけて来るよ。
アンタは兵士らんとこ行って、保護してもらえ。いいね?」
ペシペシ頭を叩かれて、マオは小さく頷く。
「強いのはもういないだろうからさ。んじゃ!」
そう言って、走り去って行くピスケラの背中に、アクルは呟く。
「頑張って下さいね、ピスケラさん。」
「ん。まかしときなアクル。」
自然と漏れた言の葉に、ん? とピスケラは振り返る。小さく首を傾げ、そのまま身を翻して走り去って行った。
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