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「さて、後はピスケラさんにお任せしちゃって、あたし達は帰りましょう! マオさん!」
魔王の言葉に、まぁ、仕方ないなとマオは立ち上がる。
帰ろうとふらふらと歩き、思い出したように踵を返して、とりあえず気絶しているパイクシスの顔を踏んづけるマオ。
「あやや……。」
やや呆れた様子の声をよそに、さて帰るかと、マオは満足気に背を向けて、少し歩いた時。
「あぁ―――――!!!」
女の子の高い声が響いて、マオは肩をビクリと震わせて、尻尾をピン! と立てながら振り返る。
「ちょっ……ちょっ! なにやられてるのよ皆ー! 計画はどうなっちゃったのよー!?」
どうしてこうなっちゃうんだー! と騒ぐ少女をマオは見る。
桃色の髪は、肩までは届くくらい。あどけない顔をみながら、自分よりは二、三歳くらいは年上だろうか。やたら小さい自分よりかは流石に大きいが、小柄だ。
手は、鳥の鉤爪っぽくなっていて、腕からは鳥の羽毛がはえている。
マオと同じく、白いワンピースっぽいのを着た少女は、何でだと喚いた後、マオを見る。そして。
「わっ……わー! ラブリー!なぁんてラブリー!ちょーラブリー!! ちょ、ちょっと! すっごい可愛い子がいるんだけど!」
パイクシスらが死んではいないと判断した彼女は、マオの姿に大層な感想を叫んで、マオは再びびっくりしている。
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