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「あ、驚かせちゃった? ごめんねー。」
ジリジリと近付いて来る少女に、マオはジリジリと後退する。
「あぅ……逃げないでおくれよー。 ダイジョウブだよー。怖くもないし、痛くもしないからー。」
ジリジリと近付いて来る少女に、マオは何となく恐怖を感じる。
「大変ですよマオさん。こいつ、大変な変態な気がします。」
ちなみに、魔王はただ言いたかっただけだ。
「あー……うん、そうだ君! 仲間にならない!?」
意を決した様に、いきなり勧誘してくる少女にマオはポカンと口を開ける。
「……ならない。」
「ガーン! 振られた! ショック!」
頭を抱える少女に対し、マオは軽く戸惑う。だが、少女はハッとした顔をして、元気を取り戻した様に笑みを浮かべながら腕を組む。
「ふっふっふー。よーく考えてみたら、あたしはカタギじゃあないんだ。わざわざ正攻法で行く必要はないのだよ。」
ビシィッッ! とマオを指差し、マオは再びビクンとして尻尾が逆立つ。
「そーいう訳で、私! 操鳥は貴女を奪っちゃいます!」
そう言って決め顔を作る操鳥。
「そして、あたしとお風呂で背中の流しっこをするのだー!」
魔王は、何か危ない匂いがするなと本気で思った。
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