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「マズイですよマオさん、この方はそっちの世界から来た気がしますよ。
捕まったら、大変な事になりそうです。」
薄い本になっちゃいますよと魔王はぼやく。
そっちの世界ってなんだとマオは思うが、まぁとりあえず操鳥に視線を向ける。
あっちはやる気満々である。
「むしろ、やる気マンマンマンですね。」
マオは自分の状況を思案する。ダメージを受けすぎて、再生力が落ちて来ている。何か食べたいところだが、ここに来る途中でオヤツは食べ尽くしてしまった。
マオは周囲に気を配り、意を決する。
火がその手に籠り、それは赤い槍の形を成す。
先手必勝とばかりに、操鳥に飛びかかるマオ。
「……~ら~らら~ららら~♪」
操鳥が歌い、羽根が周囲に散る。
それが、さっきピスケラがぶん投げた事により、近くに落ちていた巨大なカットラスと呼ばれる剣に触れた。
その瞬間、カットラスは物凄い速度でマオに向かい、その面が側面から直撃。
「――――ッッ!!?」
あまりの衝撃に吹き飛び、近くの木造の建物の窓を突き破って行った。
「あ……やっば、加減ミスっちゃった。」
操鳥は、やっちゃった~、と呟きながらも、とりあえず手当てしてあげないとと歩き出す操鳥。
死んでないよね? と小さな不安を覚えている。
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