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その頃、ピスケラは町の広場にたどり着いていた。
子供が数十人くらい走り回れそうな広場の真ん中には、同じく子供が数人走り回れそうな丸い舞台みたいなのがある。
祭りとかの際に、舞踊とかでもするのだろう。周囲には、赤い柱が全部で四本。
その真ん中に、その男はいた。
赤い船長コートを肩にかけた、程よい体格は、最初にあったデルフィネスよりいいくらいだ。
ホエールやパイクシスよりは小さく、思ったよりかは小さいねとピスケラは思う。まぁ、アタイよりゃそりゃあでかいけどさ。
赤いボサボサの、ちょっと長めの髪と、思ったより若い顔。まだ、二十代くらいだろうか。
粗暴そうにも見えるが、どこか少年というか、悪餓鬼っぽい感じは、何だか不思議な魅力があった。
「……待ってたぜ。アンタが十二聖護士だな?」
思ったより小せぇなと笑う男に、そりゃこっちの台詞さとピスケラは笑う。
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