間章の二

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 ピスケラは僅かにステップを踏んで、崩れ落ちそうなヒュドラとの位置取り間合い調節。  そこから、畳み掛けるかのように中段足刀、上段足刀、掛ける様に踵蹴り、そして最後に脳天に踵落としを決めてから、両足を地面に着けて、一呼吸直後にヒュドラの顎に対し後ろ回し蹴り。  ヒュドラの顔面掌低が予想に反して響いて来て、ピスケラは軽くふらふらしてからヒュドラを見る。  ヒュドラは少しだけ地面を転がって、立ち上がった。 「……ッ、しつこい奴さね!」  駆け寄り再び拳を放つピスケラだが、ヒュドラは難なくそれを捌いて、肝臓を的確に狙ったボディーブロー。  ゲボッ、とピスケラの足がほんの少しだけ浮く。  両手を上に合わせて、腹を押さえ咳き込むピスケラの後頭部に叩き込み、ピスケラは顔面から落ち、叩き付けられる。  ヒュドラは気を逃す事なく、ピスケラの頭を……まるでサッカーボールでも蹴り飛ばすかのように蹴り飛ばした。
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