間章の二

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「なぁ、アンタ……オレ達の仲間になんねーか?」  いたずらっ子の様な笑みでそんな事を言い出すヒュドラに対し、ピスケラは『アアン?』とヤンキー風に返す。 「だからよ、オレ達と来ねぇか? へへ、アンタの事気に入っちまったよ。」 「……。」  ピスケラは……しばしヒュドラの得意気な顔を睨み上げた後、ゆっくりと立ち上がる。 「悪党の手先になれだって? ハンッ、冗談にもなってないねぇ。」 「ハハッ、手厳しいなオイ?」  笑うヒュドラに対し、ピスケラは駆け出す。  ヒュドラの放った右フックを僅かに体を沈ませ避けて、肘をヒュドラの脇腹に直撃させた。  が、直後に膝蹴りを腹にくらってよろける。 「ま、悪党ってのは否定しねーぜ? こうやって、町ひとつ占拠したりしてるし、略奪だってしてるしな?」  愉快そうにヒュドラは笑って、ピスケラの顔を覗く。 「だがよ、自由だぜ? とんでもなくな。」  この広い海、どこに行ってもいいんだからよ。  そんなヒュドラに対し、ピスケラは鼻で笑った。 「……そりゃあ『自由』じゃなくて、『身勝手』ってやつさね。」
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