間章の二

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「……やれやれ、手厳しいな。つーか、似た様なもんだろ?」 「……やかましいよ。」  ふぅ、とピスケラは静かにヒュドラを睨み付けた。 「ん?」  そこでヒュドラは気付く。周囲に、霧が発生していた。  更にその霧は、だんだんと濃さを増して行く。 「……アンタの仕業かい?」  息苦しさすら感じる濃霧のなか、ヒュドラはピスケラに問い掛ける。ピスケラは、ちょっと笑っただけだった。  途端、ピスケラの姿が上空に向かう。 「……おお?」  ピスケラが、まるで泳いでいるのが一瞬見えたが、濃霧のせいですぐに見えなくなる。 「……この濃霧の中を。空を泳いでるってのか?」  いや、この濃霧はいわば『海』なのかもしんねーなとヒュドラは思う。魔法には詳しくないので良くは解らないが、恐らくこの『濃霧』を自身にとっての『海』とでも見立てさせているのだろう。  これがピスケラ・アルレーシャの奥の手のひとつ。『マリン・アサシン』という魔法である。
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