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「あの、すいません」
青年が話しかけてくる。正直、驚いた。
「なんだね?」
「僕の名前はブックマスター。みんなからはマスターと呼ばれています」
青年は立ち上がる。シルクハットを取って左胸に当てて頭を下げる。青年がするには違和感のある例の仕方だ。
頭を上げる。顔がようやく見えた。紫色の瞳。だがしかし、右目は黒い眼帯で隠れている。それを除けば完璧な風貌の持ち主だ。
そう、完璧。
癖のある金髪。白磁の肌。薄い唇。深い印象の紫の瞳。正直怖いほど整っている。
青年は微笑む。
「そしてあちらが、フラムとスヴニール。フラム、ちゃんと謝りなさい」
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