ロスト・ライブラリー2

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ゆっくり、とヴィオレが首を傾げる。きらきらと金髪が光って、片方しかない紫の瞳が深く輝く。 「それ、フラムに言った?」 「いえ、まだ言ってない、です」 「そうか」 少し、項垂れる。だって、だって。 「はやく、行きたいんです」 「生き急ぐ意味は僕らにはないのに?」 「どんなに寿命があったって時間は有限です」 「そりゃそうさ。……まぁ、僕は止めないよ。何があっても止めない」 ありがとうございます、と吐息だけで呟いて頭を下げる。踵を返して書庫から出る、 「ちゃんとフラムには言うんだよ」 「勿論です」 振り返りはしなかった。         * 廊下をずかずかと歩く。脳内は現実逃避を始めてくれちゃって、旅支度なんてのを考えてる。ばーか逃げるな、 「ねぇ、フラム」 どうせ目の前に現実はあるんだから、さ。
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