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彼女には、悪癖がある。
「おはよ、琉生(ルイ)」
「はよー」
返事をした彼女―――山元琉生は猫のように目を細める。
「今日もまた、眠そうだね」
呆れた調子で言う。灰色の瞳に明るい茶色の髪の彼女は、机に突っ伏していて、今、顔を少しだけあげてる。今の今まで寝ていたのだろう。
「うん眠いー……」
「昨日何時に寝たの?」
「三時……」
「馬鹿」
うぅー、と琉生は唸る。またどうせ本の読みすぎだ。
「読書?」
「もちろんさー」
ぱたぱたと琉生が無意味に足を動かす。真っ白な、日本人離れした長い足だ。
「お祖父ちゃんとかお祖母ちゃんはなにも言わないの?」
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