ブックマスター

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「………」 「………」 沈黙。女の子が「お茶を入れて来ますね!」と言った以来、青年はなにも話さない。 「はい、お茶です」 幼女がお盆にポット、コップを乗せて持ってくる。紅茶の匂いがした。紅茶は苦手だ。 「あっ、マスター、また黙りこくって!ちゃんとおもてなししてください!」 「うん、解った」 青年は、家の奥に行った。 「すいません、マスターったらおもてなしとか苦手なんです」 「気にせんでもよい。ところで、君の名前は?」 「スヴニールです!」 「外国人かね?」 「さぁ……解らないです。すいません、あたし、記憶消失なんです」 「なんと……」 思わずスヴニールの頭を撫でる。
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