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「そう言えば……秋姫とアーニャは無事に逃亡できたのか?」
秋継はズボンから携帯電話を取り出すと、秋姫の番号を押そうとして踏み止まった。
先程の事件があったばかりで、無闇に連絡を取って良いのか分からない。
連絡する事で何かしらのデメリットが発生する場合も考えられる。
(秋姫の連絡を待つ方が安全……か?)
現場から回収してきた携帯電話と数秒睨めっこしてから、とりあえずアーデルを呼び出す。
「秋姫とアーニャの現在位置を見つけられるか? 学園の警備部にいる筈だが……」
『ほいほーい』
アーデルは気軽に答えると、わざとらしく画面に検索中と言うテロップを流す。
アーデルなりのギャグらしいが、秋継には微妙な顔をするしか出来なかった。
『二人を発見! やっぱり警備部で保護されているよ。安全安心かな~?』
その答えに秋継は胸を撫で下ろした。
しかし、そこでやはり疑問が浮上する。
「なら、警備隊の連中は何故動いていないんだ?」
「そんなのは簡単です。ブラボー及びチャーリーが先に近場の警邏システムを沈黙させたからでしょう。戦略の基本です」
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