エピローグ

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 パソコン画面を見詰めたまま、アルファがしれっと答える。  一瞬苛立ちを覚えたが、それで秋継は合点が行った。  つまり、二人は最寄りの警備部の駐屯所に逃げ込んだが、そこは既にエージェント達に制圧された後だったのだろう。  後は警備員達の治療を始めたか、違う場所の駐屯所にさらなる救援を求めたか――どちらにしろ警備員が直ぐに駆け付けて来なかった理由は、幾らでも考えられる。  秋継は安全確認の為に連絡を入れるかどうかを悩んでいると、それを察知したのかアルファは画面を見たまま口を開いた。 「忠告して起きますが、こちらの隠蔽工作が終わるまでは、この辺り一体の全ての外部ラインは途絶させているので、悪しからずです」 「途絶?」  秋継は直ぐさま携帯電話をかけたが、発信音は鳴らずに自動ガイダンスの音声も鳴らない。  ただ、砂嵐のような雑音がなり響くだけだ。 「あの二人は大丈夫なんだろうな?」 
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