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「とにかく、それが終わったら、お前はさっさとどっかに行ってくれ」
「Nein? 何を言っているのですか秋継? 私の任務は終わっていません。ここを拠点に任務を続行します」
「……?」
しばし秋継は自室の天井を見上げたていたが、慌てて起き上がるとアルファの後ろ姿を睨む。
「ちょっと待て? 何故そぉーなる?!」
絶叫してベットから跳び上がるが、アルファはケロッとしたままだ。
逆に不思議そうに振り返る。
「何故も何も、私と秋継は共犯では無いですか? 一蓮托生?」
「はぁあああ?!」
さらに絶叫。
荒い息をする秋継を無視して、アルファは画面に目を戻す。
「秋継も、私と同じくシステムEDENに接触していますよね? だから“電子精霊”とアクセス出来る。違いますか?」
アルファの言葉に、秋継の顔付きが変わる。
沈黙が数分訪れた。
秋継の反応が無いのでアルファは言葉を続ける。
「私が秋継に聞きたかった事とはそれです。秋継が電子精霊を認識出来るようになったのも、電子世界を認識出来るようになったのも、システムEDENにアクセスしてからで間違いありませんか?」
アルファの淡々とした口調が、この場合は威圧的に感じる。
ただ事実を告げる機械のように、無機質に連絡事項を告げられているような感覚。
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