エピローグ

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「ああ……あってるぜ。俺は親父の足取りを探す為に、EDENに何度もハッキングを仕掛けていたからな。その過程で見つけた奇妙なマップデータ。そこで俺はアーデルに出会った」 「その奇妙なマップデータとは、MCNの原形データ領域の事です」 「MCN……マジック・サーキット・ネットワークの……原形データ? あれが?」  あからさまに秋継は、納得出来ないと言う顔をした。  かつて偶然見つけたデータ領域が、現在の魔法システムの中枢を成すモノと言われても、全くピンとは来ないだろう。 「あのデータが……世界に魔法を溢れ出させた基幹だと?。魔導科学の秘密が……あの世界に?」  秋継が見つけたデータ領域。  それは、電子精霊たるアーデルが存在していた世界である。  その世界の仕組みを解明すれば、確かに魔術機構の説明がつくかも知れない。 「Ja! その通りです。魔道の神髄はそこにあります」   アルファはそう叫ぶとくるりと振り返った。 「説明ですか? 説明ですね?」 と呟きながら、何故か無表情でウキウキしている様に見える。 「この世界は科学で魔術が使える。使用手段や原理、応用、運用方法はコードエイジなら誰しも理解している事だが、魔力の発生原が、エネルギー中枢が理解出来ていない。MCネットワークも構成、機能、エネルギーの循環は理解出来るが、何故魔力が生まれるかは“科学的に解明されていない”。完全にブラックボックス扱いだ。それを知るには全てを観測記録している、システムEDENから情報を抽出するのが一番早いとは思うが……あのマップデータが鍵だって言うのか?」 「Ja。秋継の判断は正しいです。現にヴァルハラもそれが知りたくて、同じ結論に達して我々をここに派遣しました」
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