エピローグ

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「システムEDENにはサイバーワンダーランドを観測している専用観測用ネットワークプログラムがあり、それに触れる事により私と秋継は、不可視領域を観測するネットワークにアクセスするアカウントを収得した。と、判断しますが?」 『ナイン~! そこは違うんだよね~。プログラムうんぬんじゃないんだよ。EDENはネットワークに並列する別世界であるサイバーワンダーランドを観測した。観測したからサイバーワンダーランドはこの世界に認知世界として存在を確立したんだよ。秋継もそこのエセアンドロイドもEDENを媒介に知覚した。だから、サイバーワンダーランドを識っている。だから認識が可能になっただけなんだよね~』  アルファの返答の真似をしたアーデルに、アルファの片眉が微かに反応したようなのだが、それに気付いたものはいない。  その行為は、彼女なりに琴線に触れる部類のものだったようだ。 「えーと……? なんだ……? 言っている意味がよく分からんのだが」  秋継はげっそりとした表情を浮かべた。  アーデルの言葉遊びのような話に、全くついて行けそうにない。 「なるほど。量子力学と架空構成理論、12次元法則論を合わせてアプローチすれば空間を固定出来る。逆に言えば一度チャンネルが合ってしまえば、自動的にそちらもこちらを観測対象に出来る。そうなれば……世界は繋がったままになる」  何故かアルファは納得したのか、フムフム唸っている。  ちなみに秋継には、いまいち理解が出来ない。 「えーと。早い話し、電脳空間で電子世界を発見したって事だよな?」
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