勇者召喚~前編~

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眩い光に包まれて目を瞑っていると不意に真っ暗な場所についたらしく僕はゆっくりと目を開けた そこには色様々なローブを纏っている人達と一人の美少女が目の前にいた 僕は目の前の美少女に手を差し出して跪き最高の笑顔でこう言った 「結婚してください」 「バカですかっ!?」 すると横から鋭い正拳突きが飛んできたので慌てて頭を下げて避けた 「もう、何するのさ急に」 「何じゃありません!友乗さんこそ何してるんですか!?」 隣にいる麗ちゃんが凄くガミガミ言ってる中、僕の目の前にいる美少女は頬を染めてクネクネしていた 「だって連斗が言ってたよ?もしも勇者召喚何かに呼ばれて目の前に女の子がいたら躊躇わずにこう言えって」 「はぁ~…お兄ちゃんったら、あ!そうだお兄ちゃんは!?お兄ちゃん!」 麗ちゃんは急に立ち上がり連斗を呼びながら周りを見渡し始めた 僕も周りを見渡すが連斗の姿は何処にもない それだけで悟った "連斗は付いてきてない"って そして次に僕の内側から沸々と罪悪感が沸いてくる、もちろん麗ちゃんと連斗に あんなだらしない性格だからって理由で麗ちゃんは連斗のお節介を焼いていたけど連斗といるときの麗ちゃんが一番輝いてるってことを知ってるし 連斗だって麗ちゃんのことを遠ざけているように見えるけど誰よりも麗ちゃんのことに心がけているツンデレな兄なのだ だからこそ引き剥がしてしまった自分に腹が立つし罪悪感が沸く 連斗のことだから何だかんだ行ってついてきてくれると思ったのが間違いだった 「麗ちゃんごめん!本当にごめん!ごめんなさい!」 だから俺は今もなお連斗を探している麗ちゃんに頭を下げた 土下座で 「う、うぅ~…もういいですよ。顔をあげてください友乗さん」 半泣きでそう言ってくれた麗ちゃんにもう一度謝ってから顔をあげた 他の人が空気なのを僕は知らない
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