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“いい加減俺の体を返せ!”
“ダメです。あなたに返してしまったら、また人間の命を奪うつもりでしょう”
“クソ!何で俺様の体を貴様程度のクズに使役されなきゃなんねぇんだ!”
“何でって、それはあなたが無知だったからです。怨むなら自分を怨みなさい”
1人の男の中で、汚い言葉遣いの男と、それとは正反対の紳士的な言葉遣いの男の2人が言い争いをしていた。これは日課のように毎朝繰り返されている。2人が1つになったあの日から…。
・・・
「や、やめるんだ№966!わ、私はお前の生みの親だぞ!」
所々赤く染まった白衣をきた男が、腰を抜かし地面に座り込みながら、目の前に立っている裸の、見た目12才ぐらいの少年に向かって言った。
「ふっ。生みの親だと。笑わせるな、クズが!」
少年は白衣の男の顔を殴った。が、それは普通に人を殴ったのとは違った。殴られた男の顔は、まるで顔の中に爆弾でも入っていたかのように弾け飛んだ。
「俺はテメェらのモルモットになるつもりはねぇ」
部屋が薄暗くて見にくいが、少年の後ろには白衣の男のように顔が無くなった人や、心臓を一突きされた人の死体がたくさん転がっていた。
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