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「松田ん爺さんも年をとったがやぁ~」
ダイニングで食卓を囲む。
前、爺さんに聞いてた通り彼女の両親は離婚してオバさんの実家に帰郷した。
お婆さんはオバさんのお母さんであり
爺さんの幼なじみだ。
「婆ちゃんも気を付けないと‥‥」
「そうじゃ。明日は我が身じゃなぁ」
二人の会話を聞きながら、優奈と黙って食事を進めた。
うちと正反対の環境にかなり緊張して、食事の味が分からない。
「シン君は大人しいの?」
「あ‥いえ。いつも爺さんと二人で食べてるんで‥
女性の中で食べるのに慣れてなくて‥‥」
「まぁ!聞いた!?何年振りに『女性』って言われたわ~」
「ほうじゃのぉ!爺さんの孫は、素直で可愛いのぉ」
話の盛り上がる二人と対照的に溜め息を付く彼女。
「優奈もまた大人しいわね?
何かあったの?」
「‥‥なんでもない。
御馳走様!
お風呂先に入っていい?」
そう言って席を立ちダイニングから出て行ってしまった。
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