心─5

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「私の部屋、隣」 「そっか。‥‥じゃあ、壁叩いたら分かるかな?」 「多分、分かるかも。ってなんで?」 「俺、兄弟居ないからさ。 周りの奴とか兄弟でそうやってコンタクトとるんだって聞いた時 羨ましかったんだよね」 「あ~、私も居ないから分かる気がするなぁ~。 ‥‥うん、面白そっ♪ 寝る前に合図しよっか?」 「うわぁ~。 変にドキドキする」 「私も~! なんか‥修学旅行的な感覚?」 「ふっははは。それそれ!」 ひとしきり談笑して満足したのか彼女は欠伸をしながら 「んじゃ‥‥寝ようかなぁ? おやすみ~」 と言って自室に帰って行った。 本当に今日は色々あり過ぎて、心地良いくらいの疲労感。 消灯し布団に入ると、日だまりや柔軟剤の良い香りに包まれる。 嬉しくて思いっ切り吸い込んだ。 爺さんの事も心配だけど 今はかの『棚ボタ生活』を 楽しもう。 そう思っていた時壁を小さく叩く音がした。 ───四回 『おやすみ』 ‥‥かな? 俺も音がした壁を 四回叩いた。 ‥‥嬉しい 僕は幸せな気分の中 瞼を閉じた。 ,
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